斎藤隆夫の『反軍演説』
編集者Fです。
先日、民主党の長妻昭代表代行が、4月23日の記者会見で「『反軍演説』復活を働きかける」とのニュースがありました。
以下、Yahoo!ニュースから引用させていただきます(毎日新聞 2015年04月23日 20時38分(最終更新 04月23日 21時39分))
民主党の長妻昭代表代行は23日の記者会見で、戦前の帝国議会で軍国主義に反対した「反軍演説」など議事録から削除され非公開になっている部分の公開に向け、衆院議院運営委員会で各党に働きかける考えを示した。自民党が社民党の福島瑞穂副党首の「戦争法案」発言の修正を求めた動きを念頭に、「野党が声を上げないと自由の範囲が狭くなる危機感がある」と懸念を表明した。
衆院記録部によると、反軍で知られた戦前の政治家、斎藤隆夫(1870〜1949年)が帝国議会で40年に日中戦争への疑問を表明した「支那事変処理に関する質問演説」(反軍演説)の削除部分を含む12件が非公開になっている。これらの議事録は95年に公開を検討したが、見送られたという。
この議事録から削除された斎藤隆夫の「反軍演説」は、中公文庫プレミアムが昨年刊行した斎藤隆夫『回顧七十年』で全文を読むことができます。
電子版もあります。
収録した演説には、議場での反応(ヤジや拍手等)も分かるようになっていますし、また本文では演説直後の新聞報道なども引用され、この演説がどのように当時迎えられたのかが分かるようになっています。
そして、4年前(昭和11年、226事件直後)に斎藤がおこなった「粛軍演説」と、それに対する反応と比較すれば、社会の「空気」が、いかに急激に変化するものかが分かるはず。その変化は、現代日本でもじゅうぶん、教訓になることだと思います。
ぜひ、ご一読下さい!
【追記】
斎藤隆夫の反軍演説の音声が聞ける動画がありました。