中公文庫プレミアム 編集部だより

永遠に読み継がれるべき名著を、新たな装いと詳しい解説つきで! 「中公文庫プレミアム」を中心に様々な情報を発信していきます!

終戦記念日

編集者Fです。

今日は、69回目の終戦記念日とよく言われますが、実際の所、8月15日をそのように呼ぶようになったのが何時なのかはよく分かりません。この日が公式に「戦没者を追悼し平和を祈念する日」と閣議決定されたのは1982年です。

ちなみにこれもよく言われることですが、いわゆる太平洋戦争が正式に終了したのは、東京湾上の米艦ミズーリ号で日本全権が降伏文書に調印した1945年9月2日とされており、欧米ではこの日を「戦勝記念日」とすることが多いそうです(ミズーリ号での降伏文書調印の模様は、7月25日刊中公文庫プレミアムの2冊『マッカーサー大戦回顧録』『占領秘録』に詳しく載っています)。 

  

占領秘録 (中公文庫)

占領秘録 (中公文庫)

 

 

ところで、韓国や北朝鮮も、日本と同様8月15日を終戦記念日(韓国は「光復節」、北朝鮮は「祖国解放記念日」)としておりますが、これはやはり、当時の朝鮮半島が日本の植民地であったので、昭和天皇のいわゆる玉音放送が流れたことで、一般の人々は日本の敗北を知ったという印象が強いのでしょう。

ちなみに、私は二十年ほど前、8月15日を韓国で過ごしたことがあります。当時から反日感情が強いとされていた韓国で、しかも光復節ということでナショナリズムが高揚する時期だからと心配してくれた人もいたのですが、幸い、そういう目にあうことはありませんでした。焼き肉屋で夕食を食べながらガイドブックを見て明日の予定をたてていたら、店のおばちゃんが寄ってきて、懐かしそうにガイドブックの日本語を見つめていたことを思い出します。

 

というわけで、日本では8月15日を中心に終戦記念番組が放映されたり、雑誌や新聞で特集が組まれることが多いのですが、世界的には9月2日が「戦争終結の日」です。戦争について、さらには太平洋戦争での敗北・それに続く占領が今だに国際社会における日本のあり方を規定し続けていることを考えることは大事ではないでしょうか。

中公文庫プレミアムでも、これから来年の終戦70周年に向けて、戦争や「戦後」にまつわる様々な本を復刊させていく予定です。まずは8月25日刊の以下の2冊が、ネット等で予約開始中です。

 

戦線 (中公文庫)

戦線 (中公文庫)

 

  

海軍随筆 (中公文庫)

海軍随筆 (中公文庫)